読みもの

しゃべってないで書いたら日記〜店主の身に起きたことそのまんま日記〜

2019年01月28日

デパガ時代

私は夜間大学に通う苦学生だった。うちの親は変わっていて学費を出してくれなかった。ごく普通の共働きの家で裕福ではなかったが貧しい、っていうわけでもなかったのだけど「大学行きたいんやったら自分で行きや」。それで夜間大学に行きながら私はデパートに就職したのでした。配属先は家庭用品売り場。昔、私はかなりぼんやりしていた。

変人級の天然時代。

毎朝、出勤したら広いロッカールームで制服に着替える。ブルーのブラウスと紺色のスカート。着替えて売り場に行くと週に一回くらいの割合で、先輩に爆笑される、「またや〜!」週に一回くらいの割合で、制服の下の私服のスカートやズボンを脱ぎ忘れて履いたまま売り場に行ってしまうのだ。笑われてようやく、制服の下からビロ〜ンと私服のスカートが出ている驚くような格好で売り場までのエレベーターに乗っていたことに気づく。

こんなこともあった。いつもより早く出勤して「よし!今日はスカート脱ぎ忘れてないぞ」、ご機嫌さんで売り場にある観葉植物たちに水をやろうと思い立った。ちょうど、レジ横に小さなジョウロがあったのだ。当時の売れ筋ビタクラフトのお鍋や、お皿やグラスの間にたくさん置いてある大小様々な観葉植物に水をやっていたら、背後で先輩が叫んだ、「あっちゃんが造花に水やってはる〜!」。え〜っ!と思って見たら棚が全部水浸し。。。その時も全然怒られなくって、皆さん、「腹痛い」と言って笑いながらただただ、水浸しの棚を拭いてくださるのだった。なんというかおおらかで優しい、いい職場だった。

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